北海道の除雪事情
北海道の多くの地域は毎年尋常ではない量の雪が降ります。
勿論北海道はとてつもなく広いので、地域によってはとても雪の量が少ない地域もありますが、私の住んでいる地域はとても多くの雪が降ります。
そんな雪の多い地域で暮らそうと思った時、
「普通に生活することができるのだろうか?」
という疑問が湧くかもしれません。
特に通勤や買い物など車を使い、道路を走ることができるのだろうか?といったことが気になるのではないでしょうか?
結論から言うと、
『道路を車で走る際は問題ありません』
ということになります。
下の写真のように道路は綺麗に除雪されます。
写真は雪が降り始めの時に撮ったものなので下の道路が見えていますが、基本的には除雪をしても冬の間は下のアスファルトは雪に覆われたままです。
これを聞くと道路は除雪されるので暮らすのは楽で問題ないと思うかもしれません。
しかし、ことはそう簡単に運びません。
除雪した雪は放置
みなさん道路を除雪した雪はどこに行くと思いますか?
「1か所に集める場所がある」
「雪を回収してくれる」
そう思うのではないでしょうか?
違います。
答えは、「放置」です。
下の写真を見てください。少し分かりにくいですが、道路を除雪した雪が脇にうず高く積まれているのが分かると思います。
このように、道路を除雪した雪は横に追いやられているだけで、無くなる訳ではありません。
そしてこの雪は除雪車のブルドーザーでつぶされ押されたため、固く重く、氷のような状態になります。
この状態の物を車の前や家の前に放置されます。
これを聞いて驚かれたのではないでしょうか?
無理もありません。移住当初、私も行政の怠慢だと感じずにはいられませんでした。
しかし、北海道ではこれが「普通」です。私の住んでいる地域だけでなく他の地域も同様です。札幌などの都市部は道も狭く、毎年のようにこの積まれた雪が問題になっています。
ですので、このように道路を除雪した後は、車の前や家の前を自分で除雪するか、除雪業者に頼まなければなりません。
写真は何日も除雪した後の写真ですが、大量に雪が降ったときなどはたった一晩で壁の様な塊を車や家の前にこしらえられてしまう時も少なくありません。
そんな道路の除雪が毎日のように続けば、大雪の日が無くとも、すぐに下の写真のようにどんどん高くなっていきます。
ここまでなってしまうと、人の力ではどうにもなりません。
そしてここで疑問が湧くかもしれません。
この雪の壁は春になって自然と解けるのを待つしかないのか?と。
そうではありません。
私の住んでいる地域では雪のシーズン中に1、2度「排雪」と言われる、こういった雪をトラックに積み込み除去する大掛かりな作業を行います。
しかし、排雪には莫大な費用が掛かるため、ほとんど行われません。
さらに言えば、排雪した直後に大量の雪が降り、再び巨大な壁ができることもままあります。その場合春になって雪が解けるまで壁は放置となることもあります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
私たちは移住する際に「道路の除雪は綺麗にされている」としか説明されませんでした。
リサーチ不足と言われればそれまでですが、まさか道路の雪を自分の家の前や車庫の前に置かれて放置されるとは思ってもいませんでした。
しかし、もっと大変な場所は、除雪すらされない道路もあり、その通りに面した住民はお金を出し合って除雪業者に依頼し、除雪をして貰う。といった場所もあるようです。
このように、除雪に関してはトラブルや悩み、苦情など多くのことがあるので、決して除雪を甘く見て北海道に住んではいけません。
出来ることなら、お試し住宅に住むなど、1シーズン冬を北海道で過ごしてから移住を決めた方が無難です。
先日も真冬の真っただ中、東京に戻っていった一家がいました。勿論その一家が戻った理由は分かりませんが、北海道への移住は慎重になった方が安全です。
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